家の売却は荷物そのままでも可能だが判断は慎重に|売却方法、売却額、片付け費用も解説

段ボール箱と木製の家の模型

荷物がそのままになっている家を売却するにあたって、「遠方に住んでいて片付けに通えない」「荷物が多すぎて手に負えない」などの事情をお持ちの方がいらっしゃると思います。

家の売却は荷物そのままの状態でも可能ですので、まずはご安心ください。

ただし、家・土地の資産価値、荷物の内容などによっては、「長期にわたって売却できない」「引き渡し後にトラブルが発生する」といったケースもあります。

今回は、年間4,500件以上の不動産売買に関するご相談をいただいている熊本県の不動産会社『すがコーポレーション』が、荷物がそのままの状態で家を売却できるかを判断するための情報をお伝えします。

家の売却は荷物そのままでも可能だがトラブル防止策は必須|売却方法、売却額など要注意ポイント

家の模型と荷物を積んだトラックの模型

不動産の売買では、現状のままで不動産を引き渡すことを「現状有姿(げんじょうゆうし)」と呼びます。

買主が、荷物そのままの家を現状有姿で購入することに合意すれば、売買契約は成立しますが、以下の点に注意が必要ですので、はじめにご確認ください。

  • 荷物そのままで売却する方法
  • 荷物そのままで売却する場合の売却額
  • 荷物そのままで売却する場合の契約方法
  • 荷物そのままでも事前処分が必要なもの

荷物そのままで売却する方法|立ち会いなしでの売却も可能

不動産の売却方法は主に2種類で、荷物そのままでの売却は以下のように取り扱われるのが一般的です。

比較項目仲介買取
買主一般の個人・投資家など不動産会社
荷物の扱い買主の「現状有姿でOK」の合意が必要荷物そのままなどの事情があっても引き受ける方針が一般的
内覧対応必要
(荷物が多いと敬遠されやすく、内覧数が伸びにくい)
原則として不要
(不動産会社によっては室内を見ずに査定・買取するケースもある)
現金化までの期間買主が見つかるまで数ヶ月かかることもある最短で数日〜1ヶ月程度
売却額一般的に「買取」より高額だが、値引き交渉の対象になりやすい一般的に仲介の売却額の7〜8割程度の売却額が相場
仲介手数料必要不要
向いている方・なるべく高値で売却したい
・売却期間に余裕がある
・立地がよく需要が見込める
・価格よりも「なるべく早く売却」が優先
・遠方に住んでいて内覧対応などのために何度も通えない
・近隣住民の冷やかし内覧を避け、誰にも知られず売却したい

こちらの記事で、冷やかしの内覧を防ぐ対策をご確認いただけます。

荷物そのままでの売却のほか、「内覧や売買契約などの場面にも立ち会わずに売買契約を終了したい」とご希望の方もいらっしゃると思います。

家の現状・不動産会社の対応範囲・関連する専門家の方針によっては、「郵送やオンラインのみで対応を完了させる」「代理人を立てる」といった方法で家を売却できるケースもあるため、不動産会社へご相談ください

  • 査定:オンラインのAI査定や、資料をもとにした机上査定で対応してもらう
  • 媒介契約:郵送または電子契約で締結できる
  • 売買契約:契約書を郵送でやり取りし、宅建士による重要事項説明はオンラインで対応してもらう
  • 決済・引き渡し:司法書士がオンラインでの事前面談・本人確認に対応する方針で、買主側の金融機関が関係者の事前合意での決済を認める場合のみ立ち会い不要
  • 鍵の引き渡し:郵送や不動産会社への依頼で対応できることが多い

一方で、次のような場合には立ち会いが必要です。

  • 司法書士が直接面談での本人確認にしか応じない
  • 買主側の金融機関が立ち会いを融資の条件としている
  • 土地の境界確認・測量が必要
  • 家に貴重品や重要書類が残っている
  • より精度の高い査定のために、不動産会社へ訪問査定を依頼した

熊本県のすがコーポレーションは、家の売却に関するすべてのことをワンストップで対応しております。

荷物の片付け、相続や登記、売却後の税金など、「不動産のプロのサポートを受けながらスムーズに家を売却したい」とご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。

荷物そのままで売却する場合の売却額

荷物そのままで家を売却する場合の売却額は、「買主が負担することになると想定できる処分費用」の分だけ下がるのが一般的です

買主にとっては、以下のような不安を抱えた不動産購入となるためです。

  • 荷物の量と、搬出のしやすさによって、人手も処分費用も変動する(2階からの搬出、トラックを寄せられない家など)
  • 処分に手間のかかるものが含まれているか(家電4品目、ピアノ、金庫、大型の物置、仏壇など)
  • 荷物を出さないと天井裏、床下などを確認できないため、家の正確な状態がわからない など

ここで、「売却額を下げないために荷物は片付けるべき?」と疑問が浮かびますが、荷物を片付けても最終的に手元に残る額が増えるとは限りません。

ご自身が負担する「交通費や処分費用など」と「荷物を片付けることによる売却額の増加」を比較して、荷物の取り扱いをご検討ください

また、複数の不動産会社に査定を依頼する場合には、「荷物の処分費用or値引き想定額を含めた査定額を出すよう依頼する」など、同じ条件で査定をしてもらいましょう。

荷物そのままで売却する場合の契約方法|トラブル防止策が必須

開いた段ボール箱と台車、家の模型

「現状有姿での引き渡し」で家を売却する場合でも、売主の契約不適合責任※が免除されるわけではありません

※「契約不適合責任」とは、引き渡し後の不動産が契約内容とは異なる状態だった場合に、売主が買主に対して負う法的責任(代金減額、損害賠償、契約解除など)のことです。

そのため売買契約の実務では、「現状有姿の特約」「契約不適合責任を負わない旨の特約」をセットで契約内容に含めて引き渡し後のトラブルを防止するのが一般的です。

また、「現状有姿の特約」「契約不適合責任を負わない旨の特約」を売買契約の内容に含めても、売主が知っていながら告げなかった事実については、責任を免れません

不動産会社のサポートを受けながら、「付帯設備表・物件状況報告書」を作成し、雨漏り・シロアリなどの問題も正直に伝えましょう

対応具体的な内容例
そのままにする荷物の詳細を記載「家具一式」ではなく、「1階和室:仏壇台、桐たんす2棹」「2階洋室:ベッドフレーム、学習机」のように、場所と品目で記載
「設備」と「残置物」を分ける・エアコン・照明器具・給湯器・食洗機などは、付帯設備表で「設備として引き継ぐ」のか「残置物として置いていくだけ」なのかを明確にする。
・設備として引き継ぐものについては、故障時に責任が生じる場合がある
・残置物として置いていくものについても、「動作保証なし・処分は買主負担」など明記
引き渡し前の室内を記録「引き渡し後に物が増えていた」「あったはずの物がない」といったトラブルを防ぐために、日付が分かる形で、各部屋の写真か動画を残す

荷物そのままでも事前処分が必要なもの|家が相続財産の場合は特に注意

荷物そのままで家を売却する場合でも、以下のものは引き渡し前に引き取る・処分する必要があります

分類対象と理由
貴重品・現金現金、通帳、印鑑、貴金属、有価証券など
重要書類登記識別情報(権利証)、実印、印鑑登録カード、保険証券、年金関係書類など
個人情報が分かるもの写真、手紙、日記、年賀状、診療記録、名簿など
仏壇・神棚・位牌・買主が扱いに困るため、売主が引き取りや処分をするのがベスト
・菩提寺や神社に相談して、閉眼供養・魂抜きなどの作法を守って対応
危険物灯油・ガソリン・ガスボンベ・塗料・農薬・消火器・バッテリー・リチウムイオン電池など
家電4品目・エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象で、市の大型ごみとして収集してもらえない
・残置する場合は買主の同意が必須

ただし、家が相続財産の場合には以下の点に注意が必要ですので、荷物に手をつける前に司法書士や弁護士へご相談ください

  • 相続放棄をご検討中の場合には、家の売却・荷物の処分どちらも「相続を承認した」とみなされ、相続放棄ができなくなるケースがある
  • 遺産分割協議が終わるまで、家の中の家財は相続人全員の共有。ご自身だけで引き取りや処分の判断をすると、相続トラブルが発生するケースがある

相続した家の売却について、こちらの記事で対処法をご確認いただけます。

荷物そのままで売るほうが得な家・片付けるほうが得な家

段ボール箱が積まれたままの室内

次に、売却をご検討中の家が「荷物そのままで売るほうが得か」「片付けるほうが得か」を判断できるポイントもご紹介します。

荷物そのままで売るほうが得な家

次のいずれかに当てはまる場合は、荷物そのままの状態で家を売却するほうが、手元に残る額・手間両面から得な可能性があります。

  • 買主が解体・大規模リノベーションを前提に購入を検討する家
  • 売却したい家とご自身の居住地が遠く、荷物を片付ける場合の費用・手間の負担が大きい
  • 荷物の量が多く、大型家具も複数あり、専門業者に片付けを依頼する必要があるレベル
  • 相続税を軽減する特例の期限が迫っているなど、早々に売却を完了させる必要がある
  • 室内を他人にみられたくない

片付けるほうが得な家

一方で、以下のようなケースでは、最低限の片付けをしてから売却するほうが得な可能性があります。

  • 築20年以内で、買主がそのまま住み、長期にわたって住み続けることを想定できる
  • 立地がよく、不動産需要が高い
  • 荷物が一部の部屋だけ、または量が少ない
  • 価値のあるものが多数残っている可能性がある

片付け方法と片付け費用

3つの荷物と紙製の家の模型

荷物を片付けてから家を売却することを選択し、専門業者に依頼する場合の費用は、20〜50万円程度(3LDKを想定)が目安です。

ご自身で片付けをする場合の主な「片付け方法」「片付け費用」は、以下を参考にしてください

費用に関しては自治体によって異なるため、お住まいの自治体の費用を再確認していただけると幸いです。

【例:熊本市の場合】

片付け方法片付け費用
ゴミ収集日にコツコツ処分ゴミ袋代1枚4円〜35円
ご自身でゴミ処理施設に持ち込む10kgまでごとに150円
自治体の戸別収集品目ごとに500円または900円

なお、熊本市では「令和8年熊本地震」で発生した災害ごみについて、処理施設に搬入する際の廃棄物処理手数料を当面の間、減免しています

申請には、り災証明書の写し、またはり災の状況が分かる写真と、持ち込む廃棄物の写真が必要です。

対象は地震が直接の原因で発生したごみに限られるため、地震前から家にあった家財は、通常のルールでの処分となります。

片付けをする場合はリフォームも必要か、どの程度リフォームするべきか

荷物を片付けてから家を売却することを選択する場合に、「リフォームも必要?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

基本的には、売却前の大規模なリフォームは必要ありません

リフォーム費用を売却額に上乗せできるとは限りませんし、買主が好みに合わせて再リフォームをするケースもあるためです。

ただし、以下のような比較的手軽な費用で買主へ好印象を与える効果が大きいメンテナンスは、実施する価値があります

項目判断
ハウスクリーニング水回りの汚れとにおいは、内覧時の印象を最も左右する
畳の表替え・襖の張替え和室の劣化は家全体の印象に大きく影響する
壊れている箇所の修繕割れたガラス、動かない建具、外れた雨どいなどは、「手入れされていない家」という印象を与える
庭木の剪定・草刈り外観は物件を見る前の第一印象で、近隣住民との関係性も連想させる

どこまで手を入れるかは、不動産需要に応じて判断が必要ですので、リフォームやメンテナンスの検討段階で不動産会社へご相談ください。

熊本県で荷物がそのままになっている家の売却をご希望の方は、すがコーポレーションへお問い合わせください。

年間500件以上の不動産成約実績を活かして、売主さまにとって手間がかからず、多くの利益を手にできる売却方法を提案いたします。

家を荷物そのままで売却するQ&A

家の売却に関する疑問のイメージ

最後に、荷物そのままの状態での家の売却について、すがコーポレーションがよくいただく質問・回答をご紹介します。

Q. 荷物そのままよりも更地にするほうが売却しやすい?

A. 「荷物がそのままの家付きの土地」「更地」どちらが売却しやすいかは、立地など様々な要因で判断する必要があります

更地にすると、以下の負担も発生します。

  • 解体費用:木造住宅で3〜8万円/坪が目安(30坪の場合は90万〜240万円ほど)
  • 固定資産税の増加:住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」により、200㎡以下の部分は課税標準が6分の1、200㎡を超える部分は3分の1に軽減されています。建物を取り壊すと、この軽減がなくなります

そのため、現況のまま売り出したうえで、買主が決まってから解体する(または買主が解体することを前提に価格を決める)流れが一般的です。

なお、空き家を解体する場合には自治体の補助金を活用して費用負担を軽減できる可能性があるため、空き家所在地の自治体の住宅関連の補助金をご確認ください。

【例:熊本市「老朽空き家除却促進事業補助金」】

項目内容(令和8年度)
対象・昭和56年5月31日以前に着工した空き家(75件程度)
・昭和56年以降でも相続・遺贈で取得した築22年以上(木造の場合)の空き家(5件程度)
補助上限40万円
受付期間令和8年4月13日〜12月28日(予算終了まで)

Q. 荷物そのままor居住中で長期間売れない家はどうすればいい?

A. 長期間売れない家は、価格・売り方・売却先のいずれかを変える必要があります

  • 価格:周辺の成約事例と比べて高すぎないかを確認
  • 見せ方:物件写真が暗い、部屋数分の写真がない、修繕履歴が書かれていないなど、マイナス要因を排除して不動産情報サイトへの掲載情報を作り込み
  • 売却先:一般の買主を探すことにこだわらず、買取への切り替えを検討

なお、住宅を売却して現金を受け取り、売却後は毎月賃料を支払う「リースバック」という方法もありますが、リースバックには「賃料が高い」「クーリング・オフが適用されない」などのデメリットがあります

条件をよく理解したうえで選択を検討するべきサービスで、こちらの記事でメリット・デメリットを詳しくご確認いただけます。

Q. どの不動産会社でも買取してくれる?

A. 買取に対応していない不動産会社もあり、荷物そのままの状態での買取についても不動産会社によって方針が異なります

以下をポイントにして不動産会社を選ぶことをおすすめします。

  • 残置物の処分費用を含めた価格を提示してもらえるか(あとから別途請求されないか)
  • 室内を見ずに査定・買取を進められるか
  • その地域での買取実績があるか
  • 査定額の根拠を説明してもらえるか

熊本県で荷物そのままの状態での家の買取に対応している不動産会社をお探しの方は、すがコーポレーションへお問い合わせください。

最短24時間以内での買取も可能です。

まとめ

荷物そのままの家特有の「売却方法」「売却額」「契約方法」などをご紹介したうえで、「荷物そのままで売却」「片付けしてから売却」どちらが得か判断する方法などもご紹介してきました

荷物そのままでの家の売却は可能で、不動産会社や関係する専門家の協力を得ることで、売却完了までの立ち会いも不要なケースがあります。

不動産会社のサポートを受けることで、荷物の取り扱いやトラブル防止策の実施などが格段にスムーズになりますので、ぜひ早い段階で仲介や買取を依頼する不動産会社を選び、サポートを依頼してください。