離婚に伴う財産分与は、多くの人々が直面する問題です。
その中でも、不動産の財産分与と税金に関する知識は重要です。
本記事では、離婚時の財産分与と不動産に関する税金の基礎知識を解説し、スムーズな手続きや注意点についてご紹介します。
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□離婚時の財産分与とは?基本的なルールを理解しよう
財産分与とは、婚姻生活中に夫婦が築いた財産を離婚時に公平に分ける手続きのことです。
財産分与の基本として、「夫婦が共同生活を送る中で形成した財産の公平な分配」「離婚後の生活保護」「離婚の原因を作ったことへの損害賠償」の意味を内包するとされています。
「公平な分配」に対してはそれぞれの貢献度に応じて変わるため当事者間での話し合いがうまくまとまらない可能性があります。
そのような場合は、離婚から2年以内であれば家庭裁判所に財産分与の調停、または審判の申立が可能なので利用すると解決するでしょう。
離婚から2年以上たってしまった場合、財産分与の請求を家庭裁判所に請求できなくなるため、期間の経過により権利が消滅してしまいます。
ただし、2年以内に協議・調停・審判・訴訟で財産分与請求権が確定した場合は、権利は10年間存続するので安心です。
また、2年間や10年間が経過した場合でも、「相手方が任意で応じてくれる場合」には、財産分与が可能です。
最後に財産分与は、清算的財産分与、扶養的持参分与、感謝量的財産分与の3種類に分けられます。
清算的財産分与は、婚姻後に形成した財産について、双方の財産形成に関する経済的貢献度・寄与度を考慮して夫婦間で実質的に公平になるように分配することです。
扶養的財産分与は、仕事をしている妻または夫に、離婚後も相手方が経済的に自立できるまでの間の生活費を財産分与として負担させることを言います。
感謝料的財産分与は、婚姻関係の破綻原因を作った夫または妻が、離婚自由を発生させなければ離婚しないで済んだ配偶者に対して慰謝料を支払う代わりにその事情を加味して財産分与することです。
□離婚における不動産の財産分与と税金のポイント
・現物ではなく金銭で財産分与する
不動産による財産分与には譲渡所得税や不動産取得税、登録免許税などの課税負担が発生するため、金銭による財産分与にすることで税負担を減らせる可能性があります。
・過大な財産分与は避ける
「公平な分配」を逸脱した過大な財産分与は贈与税の課税につながる可能性があるため、客観的に見て妥当な金額を見積もることが大切です。
・各種特例を利用する
譲渡所得税や不動産所得税には、税制上の特例による優遇措置が存在するため、利用することをおすすめします。
マイホームを売った時の特例である「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」や、マイホームを売った時の軽減税率の特例である「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得にかかる軽減税率の特例」等を利用し、出来る限り財産分与に関する課税を減らしましょう。
□離婚後の不動産売却における注意点と手続き
1.財産分与は2年以内に行う
財産分与は、離婚後2年以内に行うことが推奨されます。
時間が経過すると、夫婦間で話し合っても財産分与について話がまとまらない場合に、家庭裁判所に対して協議に代わる処分(審判)を請求できなくなってしまいます。
離婚後は生活の変化も激しく、忙しく過ごしている間に気が付いたら2年間経過していたということも考えられるため、先延ばしにせず早めに行動しておくことをおすすめします。
2.なるべく離婚の際に財産分与の合意をする
離婚の際には、できるだけ財産分与の合意を形成しておくことが望ましいです。
離婚後にはタイムリミットもあるため、具体的な財産の評価や分与割合などを合意し、後々のトラブルを避けましょう。
また、相手側が強く離婚を希望している場合、離婚できたことに満足してしまい財産分与について真剣に交渉に応じてくれない可能性もあります。
離婚後のトラブルを避けるためにも、離婚前に可能な限り話し合いを重ねてお互いが納得できるようにしておきましょう。
3.財産分与の対象を確定するのは別居時
財産分与の対象となる不動産は、夫婦が別居を開始した時点の時価を基準とすることが一般的です。
したがって、不動産の評価額や分与割合は別居時の評価をもとに決められます。
そして清算的財産分与では、別居の時点で財産が確定します。
なぜなら、別居により夫婦の協力関係は失われており、そのあとに形成された財産は夫婦の共有財産ではないと考えられるためです。
□まとめ
離婚時の財産分与には、不動産の取り扱いと税金に関する基礎知識が不可欠です。
財産分与の基本的なルールを理解し、不動産の財産分与や売却に際しての注意点や税金のポイントに留意し、円満な解決を図りましょう。
熊本市周辺で財産分与や不動産の売却における税金の計算や申告にお困りの際は、ぜひ当社にご相談ください。
離婚時の財産分与には、不動産の取り扱いと税金に関する基礎知識が不可欠です。
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