夫婦として築き上げてきたマイホームは、離婚の際に大きな問題となることがあります。
特に、住宅ローンが残っている場合や、子供の養育環境を考慮すると、その扱いは複雑になりがちです。
感情的になりやすい時期だからこそ、冷静かつ計画的に解決策を考える必要があります。
ここでは、離婚時にマイホームをどうすべきか、具体的な選択肢や、後悔しないためのポイントをご紹介します。
離婚時にマイホームをどうする?主な選択肢
マイホームを売却して財産分与する方法
離婚時にマイホームをどうするか、最も一般的で、かつ最もトラブルを避けやすい方法の一つが、不動産を売却し、その売却益を夫婦間で分ける「財産分与」です
メリット
・公平性: 売却して現金化することで、公平な財産分与がしやすくなります。
・清算の明確化: 住宅ローンが完済できる場合、夫婦間の金銭的な関係をきれいに清算できます。
・将来のトラブル回避: 共同名義のまま残すことで生じる、将来の固定資産税や修繕費の負担、売却時の意見の相違といったトラブルを未然に防げます。
デメリット
・住み慣れた家を離れる: お子さまがいる場合、転校や住環境の変化を伴う可能性があります。
・売却益が出ない場合: 不動産価格の下落やローン残債の関係で、売却してもローンを完済できない「オーバーローン」になる可能性もあります。
その場合は、残債の分担について別途話し合いが必要です。
・売却期間: 希望する価格で売却できるまでに時間がかかる場合があります。
売却を検討する際は、複数の不動産会社に査定を依頼し、現実的な売却価格を把握することが重要です。
どちらか一方がマイホームに住み続ける方法
マイホームを売却せず、夫婦のどちらか一方が住み続ける選択肢もあります。
お子さまの環境を変えたくない場合などに選ばれることがあります。
・夫婦の一方が所有権を取得し、住み続ける
財産分与として住み続ける側が、相手に相当の金銭(代償金)を支払うことで、不動産を単独で取得します。
この際、不動産の評価額から住宅ローン残債を引いた金額が財産分与の対象となります。
・住宅ローンの問題
共同名義の住宅ローンが残っている場合、名義変更には金融機関の承諾が必須です。
住み続ける側が単独でローンを借り換えられるか、あるいは退去する側がローンの連帯債務者・連帯保証人から外れることができるかが大きな課題となります。
金融機関は、ローンの返済能力を重視するため、審査が非常に厳しい傾向にあります。
・「リースバック」の活用
マイホームを不動産会社などに売却し、売却後も賃貸としてその家に住み続ける方法です。
・メリット: 売却代金で住宅ローンを完済し、現金を手にしつつ、住み慣れた環境を維持できます。
・デメリット: 売却価格が市場価格より低くなる場合があり、賃料が発生するため、長期的に見るとコストがかさむ可能性もあります。

離婚とマイホーム、住宅ローンの問題
住宅ローンが残っている場合の複雑な問題
住宅ローンが残っている場合、離婚後もローン契約は継続します。
・共同名義のローンの場合: 夫婦のどちらかが連帯債務者や連帯保証人になっている場合、たとえ離婚して家を出たとしても、もう一方がローンを滞納すれば、返済義務を負うことになります。
これは、非常に大きなリスクです。
・オーバーローンの場合: マイホームの時価が住宅ローン残債を下回る「オーバーローン」の状態だと、売却してもローンを完済できません。
この場合、不足分をどう補うか、夫婦間で話し合って負担割合を決める必要があります。
現金で補填できない場合は、売却自体が難しくなることもあります。
・税金と費用: 売却や名義変更には、それぞれ仲介手数料、印紙税、登録免許税などの費用や、譲渡所得税、贈与税などの税金が発生する可能性があります。
これらの費用も考慮に入れた上で、最終的な損益を計算しましょう。
住宅ローンの名義変更や借り換えの可能性
住宅ローンの名義変更や借り換えは、離婚時に非常に難しい手続きとなることが多いです。
・名義変更: 離婚を理由とした住宅ローンの名義変更は、基本的に金融機関の承認が必要です。
金融機関は、ローン残高に対する返済能力を重視するため、名義変更により返済能力が低下すると判断されれば、認められないことがほとんどです。
・借り換え: 住み続ける側が、単独で新しい住宅ローンを組み、既存のローンを完済するという「借り換え」は、名義変更よりも現実的な選択肢となる場合があります。
ただし、借り換えには改めて金融機関の審査が必要であり、その人の収入や信用情報が審査に影響します。
・連帯債務者・連帯保証人の解除: 夫婦の一方がローンから外れたいと希望しても、金融機関が応じない場合があります。
もし外れることができたとしても、それは住み続ける側の返済能力が十分であると判断された場合に限られます。
これらの手続きは専門的な知識を要するため、必ず金融機関や不動産の専門家、弁護士に相談することをおすすめします。
離婚時のマイホーム問題で後悔しないためのポイント
財産分与におけるマイホームの評価と注意点
マイホームの財産分与を進める上で、その適正な評価は不可欠です。
・不動産査定: 複数の不動産会社に査定を依頼し、客観的な市場価値を把握しましょう。
査定額にばらつきがある場合もあるため、平均値や信頼できる会社の見積もりを参考にします。
・ローン残債の確認: 不動産の評価額から、住宅ローン残債を正確に差し引いた金額が、実際に財産分与の対象となる金額です。
・特有財産の有無: 夫婦の一方が結婚前から所有していた財産や、相続によって得た財産は「特有財産」となり、財産分与の対象外となることがあります。
マイホームの購入資金に特有財産が充てられている場合は、その割合も考慮に入れる必要があります。
これらの情報を明確にすることで、公平な財産分与へと進めます。
専門家への相談で離婚時のマイホーム問題を円満解決
離婚時のマイホーム問題は、法律、税金、不動産の知識が複雑に絡み合います。
ご自身たちだけで解決しようとすると、思わぬ落とし穴にはまったり、将来に禍根を残したりする可能性があります。
・弁護士: 離婚協議や調停、裁判において、法的な観点からアドバイスを行い、交渉を代行してくれます。
特に財産分与や慰謝料、養育費など、金銭に関する取り決めを明確にする上で不可欠です。
・税理士: マイホームの売却や名義変更に伴う税金(譲渡所得税、贈与税など)について、具体的な計算や節税対策のアドバイスをしてくれます。
・不動産会社: 不動産の売却査定、売却活動のサポート、賃貸に出す場合の管理など、不動産取引全般の専門家です。
市場の動向を踏まえた現実的なアドバイスを得られます。
これらの専門家と連携しながら、ご自身の状況に合った最適な解決策を見つけることが、円満な解決と将来の安心につながります。

まとめ
離婚時にマイホームをどうするかは、売却、どちらかが住み続ける、リースバックなど、複数の選択肢があります。
住宅ローンが残っている場合は特に複雑になり、慎重な検討が必要です。
財産分与におけるマイホームの適正な評価を行い、弁護士や税理士、不動産会社などの専門家と連携することで、後悔のない円満な解決を目指すことができます。
この重要な局面で、適切な判断を下すためにも、ぜひ専門家の力を借りてください。
熊本市周辺で不動産関係でお悩みの方は、ぜひお気軽に当社にご相談ください。