不動産売却で分筆するメリット・デメリットと手順

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不動産売却で分筆するメリット・デメリットと手順

土地を複数に分けて売却する「分筆」。
土地売却を検討する際に、一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
分筆は、専門的な知識や手続きが必要なため、不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、適切な手順を踏むことで、スムーズな売却を実現できます。

今回は、不動産売却における分筆の手順、メリット・デメリット、費用、注意点などを分かりやすく解説します。
土地売却を検討されている方の参考になれば幸いです。

不動産売却 分筆の手順を徹底解説

分筆とは何か、その目的と必要性

分筆とは、1つの土地を複数に分割し、それぞれを独立した土地として登記簿に登録することです。
例えば、1つの広い土地を複数の区画に分割して売却したり、相続によって複数の相続人がいる場合にそれぞれの相続人に割り当てたりする際に利用されます。

分筆することで、それぞれの土地を個別に売買したり、相続したりすることが容易になります。

分筆が必要となるケースは様々です。
例えば、広い土地を複数の買い手に売却したい場合、より多くの買い手にアプローチできるようになります。

また、相続の際に複数の相続人がいる場合、分筆することで相続手続きをスムーズに進めることができます。
さらに、既存の建物に隣接して新しい建物を建築する場合、敷地を分けることで明確な所有権の区分けが可能になります。

不動産売却 分筆の流れと必要な手続き

分筆を伴う不動産売却は、通常の売却に比べて手続きが複雑になります。
一般的には、以下の流れで行われます。

不動産会社への査定依頼:まず、不動産会社に土地の査定を依頼し、売却価格の目安を把握します。
この段階で、分筆の必要性や方法についても相談できます。

媒介契約の締結:査定結果に基づき、不動産会社と媒介契約を締結します。
契約の種類には、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

土地家屋調査士への依頼:分筆手続きは専門的な知識が必要なため、土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。
土地家屋調査士は、土地の測量、境界の確認、分筆登記申請などの手続きを代行します。

必要書類の取得:土地家屋調査士は、公図、地積測量図、登記事項証明書などの必要書類を取得します。
境界が不明確な場合は、境界確定測量が必要となることもあります。

現地調査:土地家屋調査士は、現地で境界の確認や測量を行います。
隣地所有者との協議が必要となる場合もあります。

分筆案の作成:測量結果に基づき、土地をどのように分筆するかを決定し、分筆案を作成します。
分筆案は、役所や隣地所有者にも提示されます。

境界標の設置:分筆案が承認されると、境界を示す境界標を設置します。

登記申請:全ての準備が整ったら、土地家屋調査士が法務局に登記申請を行います。

販売活動:分筆登記が完了したら、不動産会社が販売活動を開始します。

売買契約締結:買い主が見つかり、売買契約を締結します。

決済・引き渡し:売買代金の決済を行い、土地の所有権を買い主に引き渡します。

土地家屋調査士の役割と選び方

土地家屋調査士は、分筆手続きにおいて重要な役割を担います。
土地の測量、境界の確認、登記申請など、専門的な知識と技術が必要な作業を代行します。
土地家屋調査士を選ぶ際には、経験や実績、対応の迅速さなどを考慮することが重要です。
不動産会社に紹介を依頼したり、土地家屋調査士に関する情報を参考にしたりするのも良い方法です。

分筆にかかる費用と内訳

分筆にかかる費用は、土地の形状や面積、境界の状況などによって大きく変動します。
主な費用としては、土地家屋調査士への報酬、登録免許税などが挙げられます。

土地家屋調査士への報酬は、資料調査、測量、境界確定測量、筆界確認書作成、登記申請など、作業内容に応じて費用が異なります。
境界が明確でない場合、境界確定測量が必要となり、費用が大幅に増加する可能性があります。
登録免許税は、分筆後の土地の数に応じて発生する税金です。

分筆によるメリットとデメリット

分筆には、土地の有効活用や相続手続きの円滑化など、様々なメリットがあります。
しかし、費用や手続きの複雑さといったデメリットも存在します。
メリットとデメリットを事前に理解し、慎重に判断することが重要です。

メリット:
・土地の有効活用:広い土地を複数の区画に分割することで、より多くの買い手にアプローチできるようになり、売却を容易にすることができます。

・相続手続きの円滑化:相続人が複数いる場合、分筆することで相続手続きをスムーズに進めることができます。

・建築条件の緩和:分筆によって、建築条件を満たせるように土地を分割することで、建物の建築を可能にすることができます。

デメリット:
・費用:分筆手続きには、土地家屋調査士への報酬、登録免許税などの費用がかかります。

・時間:分筆手続きには、数ヶ月から1年以上かかる場合もあります。

・手続きの複雑さ:分筆手続きは、専門的な知識が必要なため、手続きが複雑です。

・隣地との関係:隣地との境界線が不明確な場合は、境界確定測量が必要となり、隣地所有者との協議が必要になる場合があります。

動産売却 分筆の手順を徹底解説

不動産売却を成功させるための分筆のポイント

土地の形状と接道状況を最適化

分筆する際には、土地の形状と接道状況を最適化することが重要です。
整形地は、不整形地よりも売却価格が高くなる傾向があります。
また、接道義務を満たしていない土地は、建築ができないため、売却が困難になります。
分筆によって、整形地で接道義務を満たす土地にすることで、売却価格を高めることができます。

売却価格を高めるための戦略

売却価格を高めるためには、市場動向を把握し、適切な価格設定を行うことが重要です。
また、土地の魅力を効果的に伝えるための工夫も必要です。
不動産会社と連携し、適切な販売戦略を立てることが重要です。

隣地との関係性と合意形成

隣地との境界線が不明確な場合は、境界確定測量が必要になることがあります。
隣地所有者との良好な関係を築き、合意形成を図ることが重要です。

不動産売却 分筆における注意点とリスク

宅地建物取引業法に関する注意点

個人で複数の土地を同時に売却することは、宅地建物取引業法に抵触する可能性があります。
複数の土地を売却する場合は、不動産会社に依頼するなど、法令を遵守することが重要です。

税金や登記に関する手続き

分筆には、登録免許税などの税金がかかります。
また、分筆後の登記手続きも必要です。
税金や登記手続きに関する知識を事前に得ておくか、専門家に相談することが重要です。

トラブル回避のための対策

分筆手続きにおいては、隣地所有者との境界線に関するトラブルが発生する可能性があります。
事前に境界線を明確にしておくこと、隣地所有者との良好なコミュニケーションを図ることなどが、トラブル回避のための重要な対策となります。

不動産売却 分筆における注意点とリスク

まとめ

今回は、不動産売却における分筆の手順、メリット・デメリット、費用、注意点などを解説しました。

分筆は専門的な知識や手続きが必要なため、不動産会社や土地家屋調査士などの専門家の協力を得ながら進めることが重要です。
土地の形状や接道状況を最適化し、隣地との関係性を良好に保つことで、売却を成功に導くことができます。

事前に費用や時間などを正確に把握し、適切な計画を立てて進めることで、スムーズな売却を実現できるでしょう。
また、宅地建物取引業法を遵守し、税金や登記に関する手続きを適切に行うことも重要です。
今回の記事が、土地売却を検討されている方の参考になれば幸いです。

熊本市周辺で不動産関係でお悩みの方は、ぜひお気軽に当社にご相談ください。

中本伸也

投稿者

中本伸也

15年以上不動産業界に従事し、宅地建物取引士や賃貸経営不動産取引士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を持つ専門家です。不動産に関するお悩みやご質問は、ぜひ私どもにご相談ください。豊富な経験と知識で最適なご提案とサポートをいたします。お気軽にお問合せください。

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