不動産売却における成年後見人の申し立てに必要な書類と事前の準備について解説!

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不動産売却における成年後見人の申し立てに必要な書類と事前の準備について解説!

成年後見制度は、認知症を代表とする精神的な障害などによって判断能力が低下した人を保護し、支援するための法的な制度です。
判断能力が低下したことで不要な物品を購入させられたり、損害が出ることを理解せずに何らかの契約をしてしまうなど、悪徳業者に騙される可能性を少しでも減らせるようにサポートするのがこの制度の全体像です。
この記事では、成年後見人制度の申し立てに必要な書類と認知症になる前の事前の準備について解説します。

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□成年後見人の申し立てに必要な書類と注意点について

□成年後見人の申し立てに必要な書類と注意点について

成年後見人の申し立ては本人の住所地を管轄する家庭裁判所が窓口で、申し立ては本人だけでなく配偶者や一定の親族でも可能です。
申し立ての必要書類はケースによって異なるので家庭裁判所で確認することをおすすめしますが、一般的には以下のものが必要です。

・後見開始申立書
・申立付票(ことの経緯を説明するもの)
・後見人等候補者身上書
・親族関係図
・本人の財産目録
・本人の収支予定表
・本人の健康診断書
・本人及び後見人等候補者の戸籍謄本
・まだ成年後見等の登記がなされていないことの証明書

親族以外には弁護士や司法書士などの資格者が選任されることが多くありますが、最終的な判断は裁判所によって下されます。
また、申立には収入印紙代や登記手続き、郵便切手代など数千円から数万円の費用がかかり、本人の鑑別手続きが必要な場合は10万円程度の鑑別費用がかかります。

後見人の選任には2か月程度の期間がかかり、無事選任された後も、不動産売却には無条件の代理売却ができるわけではないため注意しましょう。

□親族以外が成年後見人等に選任されるケースについて

実は近年、親族以外の第三者が成年後見人等に選出される事例が増えています。
裁判所による成年後見人関係事件の概況によると、子どもを筆頭に家族や親族が成年後見人等に選任されるケースは全体の3割を下回っており、弁護士を筆頭に成年後見人等に選任されるケースが全体の7割を上回っています。

この背景には、血縁者が成年後見人になった場合、相続の際に利益相反が起きやすいという理由があります。
また、本人を取り巻く状況から、家庭裁判所が候補者以外の弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職、法律または福祉に関する法人などが選任されるケースがあります。

近年、高齢化の進展に伴う一人暮らし高齢者の増加を背景に、成年後見人を必要とする人が増えていることから、市民から選出されるボランティアの市民後見人という自治体の事業も盛んになっています。

これは市区町村などが実施する養成研修を受講した一般市民が家庭裁判所から成年後見人等に選任される制度で、報酬付与の審判申し立ては行わないことを前提としたボランティア活動です。

市民後見人が単独で選任される単独選任型と、市民後見人と専門職等の後見人が複数で選任される複数選任型、市民後見人が後見人になり専門職が監督人としてサポートする監督人選任の3つが主な形です。

これらの制度から、一人暮らし高齢者の増加だけが原因でなく、認知症を発症した後の選択肢は限られてしまうため、早いうちから成年後見人等を用意しておこうという住民の考えがわかるでしょう。

□認知症になる前にしておくべき3つの不動産売却の事前準備とは?

医師に認知症と判断され不動産売却の際に司法書士から意思確認できないと判断された場合、売買契約を結べず、土地の相続や売却が難しくなります。
そのため、認知症になる前に不動産売却を準備しておくことをおすすめします。

1つ目の方法は、生前贈与で不動産の名義を変更することです。
相続とは異なり、指定した人に渡せるため相続後のトラブル回避にもつながりますし、遺言の解釈違いなどのトラブルも未然に防げます。

金銭面的にも、夫婦の場合は2,000万円まで非課税になる贈与税の配偶者控除の特例や、取り決めた相手から受け取る財産に対しては2,500万円まで贈与税が発生しない相続時精算課税制度など、相続税対策として有効な方法です。

2つ目の方法は、不動産を家族信託しておくことです。
家族信託とは家族に財産の管理、処分する権限を与えることです。
本人に対して意思確認手続きを経なくても不動産を売却できるメリットがあります。
さらに、成年後見人制度よりも制限少なく財産管理できるため、相続税対策をしやすくなります。

3つ目の方法は、任意後見制度を利用することです。
任意後見制度は、将来的に判断能力が低下した時に備えて、契約により後見する人と後見事務の内容を決めておくものです。

親が自由に任意後見人を選出できる点や任意後見監督人により仕事の把握がしやすくなるメリットがあります。

一方で、任意後見人と任意後見監督人に報酬が必要、取り消し権がない、などのデメリットもあります。

□認知症になる前にしておくべき3つの不動産売却の事前準備とは?

□まとめ

不動産の売却は本人の意思確認が重要視されるため認知症になる前に考えておく必要があり、事前に施せる3つの対策についてご紹介しました。
熊本市周辺で不動産の相続に心配がある方は、ぜひ当社に一度ご相談ください。
この記事が相続不動産の売却について早いうちから考えるきっかけになりましたら幸いです。

中本伸也

投稿者

中本伸也

15年以上不動産業界に従事し、宅地建物取引士や賃貸経営不動産取引士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を持つ専門家です。不動産に関するお悩みやご質問は、ぜひ私どもにご相談ください。豊富な経験と知識で最適なご提案とサポートをいたします。お気軽にお問合せください。

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