不動産売却は人生における大きな決断です。
物件売却を検討する際には、様々な費用がどれくらいかかるのかを知っておくことが、スムーズな取引、そして経済的な安心につながります。
今回は、不動産売却にかかる費用について、種類や計算方法、目安額などを分かりやすく解説します。
費用を抑えるための具体的な方法についても、実践的なヒントを交えながらご紹介します。
売却を検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。
賢い売却に向けて、役立つ情報がきっと見つかるはずです。
不動産売却費用種類と内訳
仲介手数料
不動産売却を仲介業者に依頼した場合、売買が成立すると支払う手数料です。
これは成功報酬であり、媒介契約締結時ではなく、売買契約締結時に半額、残りの半額は物件引き渡し時に支払うのが一般的です。
法律で上限が定められており、売買価格400万円を超える場合は、売買価格の3%+6万円+消費税となります。
例えば、5,000万円の物件の場合、仲介手数料は171万6,000円(消費税10%の場合)となります。
ただし、これはあくまで上限であり、実際の金額は不動産会社によって異なる場合があります。
印紙税
売買契約書に貼る印紙代です。
契約金額によって税額が決まり、軽減措置が適用されている期間もあります。
例えば、2027年3月31日までは、契約金額が1,000万円超5,000万円以下の場合は1万円、5,000万円超1億円以下の場合は3万円です。
売主と買主それぞれが契約書を1通ずつ保管するため、通常は2通分の印紙税が必要となりますが、売主と買主で負担を分担するのが一般的です。
媒介契約書には印紙税はかかりません。
譲渡所得税
不動産売却によって利益(譲渡所得)が出た場合に発生する税金です。
所得税と住民税があり、譲渡所得は「売却金額ー(取得費用+譲渡費用)」で計算されます。
所有期間が5年以内か5年超かで税率が異なり、所有期間が短いほど税率が高くなります。
具体的には、短期譲渡所得(5年以内)は39.63%、長期譲渡所得(5年以上)は20.315%です(復興特別所得税を含む)。
税率は変更される可能性があるため、最新の税制を確認する必要があります。
登記費用
不動産の所有権を移転する際に必要な登記手続きにかかる費用です。
主に「所有権移転登記」と「抵当権抹消登記」があります。
「所有権移転登記」は買主が負担し、「抵当権抹消登記」は売主が負担します。
抵当権抹消登記には登録免許税と司法書士への報酬が含まれ、2~3万円程度が一般的です。
自分で手続きすることも可能ですが、専門知識が必要なため、司法書士への依頼が一般的です。
住宅ローン関連費用
住宅ローンが残っている場合、売却前に一括返済する必要があります。
その際、金融機関に返済手数料を支払うことがあり、5,000円~3万円程度が目安です。
手数料は金融機関や返済方法によって異なるため、事前に確認が必要です。
また、保証料を一括払いの場合、一部が返還される可能性がありますが、その際も保証会社の事務手数料が発生することがあります。
その他費用
引っ越し費用、測量費用、解体費用、廃棄物処分費用、ハウスクリーニング費用など、物件の状態や売却方法によって様々な費用が発生する可能性があります。
これらの費用は、物件の状況や地域によって大きく変動するため、事前に概算を把握し、予算に含めておくことが重要です。
特に、解体費用は高額になる可能性があるため、注意が必要です。

不動産売却費用目安と計算方法
各費用の目安
各費用の目安は、物件価格や状況によって大きく異なります。
仲介手数料は物件価格の3~4%、印紙税は数千円~数万円、譲渡所得税は利益に応じて変動、登記費用は2~3万円、住宅ローン関連費用は数千円~数万円、その他費用は数万円~数百万円と幅があります。
正確な金額は、それぞれの費用について個別に計算する必要があります。
トータル費用の目安
トータル費用は、一般的に売買価格の3.5~4%程度と言われています。
しかし、これはあくまで目安であり、実際にかかる費用は物件の状況や売却方法、税制などによって大きく異なります。
正確な費用を把握するためには、個々の費用を計算し、合計する必要があります。
費用試算のための計算式例
具体的な計算式は、物件価格、取得費用、譲渡費用、ローン残高など、様々な要素によって異なります。
例えば、譲渡所得税の計算式は「売却金額-(取得費用+譲渡費用)」です。
それぞれの費用について、具体的な金額を当てはめて計算することで、売却にかかる総費用を正確に試算できます。
複雑な計算や税制に関する不明点がある場合は、税理士や不動産会社に相談することをお勧めします。
費用を抑えるためのポイント
費用を抑えるためには、不動産会社に査定を依頼し、仲介手数料を比較検討することが重要です。
また、税金の特例制度を有効活用したり、売却時期を検討したり、交渉力を高めるための事前準備をしたりすることで、費用を削減できます。
不要な費用が発生しないよう、事前にしっかりと計画を立て、準備を進めることが大切です。
不動産売却費用目安を抑えるための戦略
税金に関する特例
譲渡所得税を軽減する様々な特例制度があります。
例えば、「居住用財産3,000万円特別控除」は、マイホームを売却する場合に最大3,000万円まで非課税となる特例です。
「10年超所有軽減税率」は、10年以上居住したマイホームを売却する場合に税率が軽減される特例です。
「特定のマイホームを買い換えたときの特例」は、マイホームを買い換える際に譲渡所得税の納税を将来に繰り延べられる特例です。
これらの特例制度の利用には、それぞれ条件がありますので、事前に確認が必要です。
不動産会社選びのポイント
不動産会社選びは、売却価格や手数料に大きく影響します。
不動産会社に査定を依頼し、査定額、仲介手数料、担当者の対応などを比較検討することが重要です。
経験豊富で、売却実績が多く、顧客対応が良い会社を選ぶことが、スムーズな売却と費用削減につながります。
売却時期の検討
市場の動向や季節性なども考慮し、最適な売却時期を選ぶことで、より高い価格で売却できる可能性があります。
不動産市場の動向を分析し、売却時期を戦略的に決定することで、売却価格を高め、結果的に費用負担を軽減する効果が期待できます。
交渉力向上のための事前準備
売却価格や諸費用について、交渉力を高めるための事前準備が重要です。
物件の価値を客観的に評価し、市場価格を把握することで、有利な条件で交渉を進めることができます。
また、複数の買い手候補がいる状況を作ることで、競争を促し、価格交渉に有利に働く可能性があります。
費用を抑えるためのチェックリスト
・仲介手数料を比較検討する
・税金の特例制度を検討する
・売却時期を検討する
・物件の修繕、清掃を行う
・必要書類を準備する
・売買契約書の内容をよく確認する
・交渉力を高めるための準備をする
・専門家(税理士など)に相談する

まとめ
不動産売却には、仲介手数料、印紙税、譲渡所得税、登記費用、住宅ローン関連費用、その他費用など、様々な費用がかかります。
これらの費用の種類と計算方法、目安額を理解し、税制上の特例制度などを活用することで、費用を抑えることができます。
今回紹介したチェックリストを活用し、賢く不動産売却を進めていきましょう。
売却は大きな取引です。
不明な点があれば、専門家への相談も検討しましょう。
事前に計画を立て、準備を進めることで、スムーズで経済的な不動産売却を実現できます。
熊本市周辺で不動産関係でお悩みの方は、ぜひお気軽に当社にご相談ください。